巻1-4番歌|たまきはる宇智の大野に馬並めて(間人連老、あるいは中皇命)

『万葉集』第1巻 4番歌(間人連老、あるいは中皇命)

たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野

漢文・読み下し文・現代語訳

標目

漢文

高市岡本宮御宇天皇代〔息長足日広額天皇〕

読み下し文

高市岡本宮たけちのをかもとのみやあめのしたをさめたまひし天皇すめらみことみよ息長おきなが足日広たらしひひろぬかの天皇すめらみこと

語釈
  • 高市岡本宮たけちのをかもとのみや:現在の奈良県高市郡明日香村大字岡にあったと伝わる舒明天皇の皇居。
  • 息長おきなが足日広たらしひひろぬかの天皇すめらみこと:舒明天皇。第34代天皇(在位:629~641年)。

現代語訳

高市の岡本に宮を定めて天下を治められた天皇の御代〔息長足日広額天皇〕

題詞

漢文

反歌

読み下し文

反歌

現代語訳

反歌

本文

漢文

玉尅春 内乃大野尒 馬數而 朝布麻須等六 其草深野

読み下し文

たまきはる 宇智うちおほに 馬めて 朝踏ますらむ そのくさふか

語釈
  • たまきはる【玉尅春】:[枕詞]「うち」「命」「幾世」などにかかる。命の限り魂のきわまる。
  • うち【宇智】:現在の奈良県五條市一帯の地。
  • くさふかの【草深野】:草の深く茂った野。春の野の形容。

現代語訳

魂の極まる命の春、宇智の大野に馬を並べて、朝の命を踏んでおられるのでしょう。その草深い野を。

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作者

間人連老はしひとのむらじおゆ、あるいは中皇命なかつすめらみこと

分類

部立

雑歌

歌体

短歌